マニアックなお客様からのリクエストにより、ジャマイカから取り寄せました。笑 日本でオールスパイスの種子を販売しているのはマルシェ青空だけです。
オールスパイスは一般的にはコロンブスが発見したとか、スペインの探検家フランシスコ・フェルナンデスが発見したとか言われています。 発見地もコロンブスはジャマイカ、フェルナンデスはメキシコとなっています。 大まかにいって西インド諸島が原産地ということで間違いはないようです。 古くはマヤ文明でも防腐剤や調味料として使われていたそうです。
おそらくコロンブスは第2回航海の際(おそらく1494年)に、オールスパイスを発見(遭遇)したのでしょう。 コロンブスは第1回の成果によって、第2回航海では多くの武装兵士を率いていましたので、各地で原住民の虐殺を繰り返しながら黄金を探すなかで、このオールスパイスにも遭遇したようです。
コロンブスに同行した医者ディエゴ・チャンカがスペイン語で胡椒という意味のpimentoという名前を付けて呼んだそうですが、実際のところ、しばらくの間オールスパイス自体が胡椒と区別がついていなかったようで、その名残から今でもスペイン語では、Pimienta de Jamaica(ジャマイカの胡椒)と呼ばれています。
「オールスパイス」という名前ですが、英名のAllspiceから来ています。 三大スパイスに数えられるクローブ、シナモン、ナツメグの香味をあわせ持ったスパイスという意味です。
【効能】
・オールスパイスはオイゲノールを多く含んでいるため、和漢薬の丁字(クローブ)と同じような特性をもっている。 オイゲノールには強い抗菌性があり、ある研究ではブルセラ菌に対して1万6000分の1、マイコバクテリウム菌(結核菌・鳥型)には8000分の1の濃度で完全に発育を阻止したという。
・オールスパイスから抽出した精油を、現地では食欲増進剤や神経痛、リューマチの治療に用いている。
和名: オールスパイス、百味胡椒、三香子
英名: Allspice
学名: Pimenta dioica
原産国: ヘイズ・ジャマイカ
形態: フトモモ科オールスパイス属、常緑小高木
栽培可能地域: 関東以南もしくはハウス栽培
結実性: 雌雄同株
播種: 4〜9月
発芽適温: 20〜30℃
発芽率: 86%
耐寒温度: 5℃
耐暑温度: 40℃
ベランダ栽培: 不可能
丈長: 10m 剪定すれば2m程度で維持可能
株間: 3〜5m
栽培難度: Level 2
【結実性】
雌雄同株です。 開花するまで雌雄の判別は出来ません。 雄花は白色の糸状の集合体です。 雌花は雌蕊が1本突き出ているのが特徴です。
【栽培方法】
■芽出し
・気温20℃以上。
・種を30〜35℃の温水に60分浸ける。
・ホームセンターで売られている培養土、肥料は不要。
・種を深さ5センチ程度に埋める。
・水をあげて常に土の表面が濡れている状態にする。(アサガオと同じ要領)
・土の温度が18℃以上が続けば30日程度で発芽します。 途中温度が下がったりした場合には、発芽に60〜90日かかる場合もあります。
・背丈が10cmになったら、肥料をあげる。 観葉植物用の肥料でも構わない。
・10℃以下になれば成長が止まるため、冬場は室内で栽培する。 露地栽培の場合には、防寒対策をとる。
■育てる場所・土
露地栽培は、関東以南で可能です。 土の上から50cmの高さになるまで室内で育ててください。
日当たりのよいところで育ててください。 水はけのよい土を好みます。 花木の培養土などの庭木用の土がおすすめです。 庭植えの場合、あらかじめたい肥や腐葉土を混ぜ込んでおくとよいでしょう。
植え替える場合は鉢底の穴をふさぐように(土こぼれ防止とナメクジなどの虫よけのため)鉢底ネットを敷き、その上に鉢の高さの1割ほど、鉢底の石を敷いてください。 その上に培養土を、植え付ける苗の土の表面が鉢の縁から1〜3cmほど下になるように調整して入れます。 苗の周りにもしっかりと土が入るように棒などできちんと土を押しましょう。 植え付けたら鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと水やりを。
■水やり
鉢植えの場合、土の表面が1cmほどしっかりと乾いたら、鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと与えましょう。鉢皿を敷いている場合、たまった水はその都度捨ててください。 水をためっぱなしにしていると根っこが腐る原因となります。 庭植えの場合、晴れの日が続く場合や葉に元気がなくなってきたら与えてください。
夏は午前中の涼しい時間に、冬も凍る心配のない午前中に水を与えましょう。 夏の日中に水切れを起こした場合は、すぐに涼しい日陰に移して水やりを行ってください。
■肥料
植え付け前と毎年2〜3月に(発酵油かすなど)とバットグアノなどを与えましょう。 生育期の5〜10月には、2ヶ月に1回程度、暖効性の化学肥料を与えてください。 冬は与えません。
「玄米酵素アミノ酸」がオススメです。
http://www.marcheaozora.com/?pid=90666985
■お手入れ
枝が込み入ってきたら暖かい時期に剪定してください。 乾燥時にハダニやカイガラムシが発生する場合があります。 まめに葉水を行い、早めの防除そ心がけてください。
■植え替え・株分け
鉢植えの場合、暖かくなってきた頃に植え替えを行ってください。 古い土を根を傷めない程度に軽く落とし、一回り(3cm)大きい鉢に新しい土を足して植え替えます。 根を傷つけると立ち枯れを起こす場合があります。
■温度、越冬
生育適温は20〜25℃です。 幼木のうちは、耐陰性があり、日陰でも育てることができますが、明るい場所のほうが生育は早くなります。 真夏の直射日光は避けてください。 高温多湿を好みます。
■収穫
収穫した実は6〜10日間天日乾燥させてください。 天日乾燥することにより、青みが残っていた実は赤みを帯びた暗褐色に変化し、強い香気を発するようになります。
【利用法】
オールスパイスは様々な料理に使われていますが、特にアメリカ人好みのスパイスです。 単独で使うよりも、香味が似ているシナモン、クローブ、ナツメグと併用すると、それぞれの角がとれ効果的な使い方が出来ます。
・ホウル(原形)を使用…シチュー、スープ、ソース、マリネなど
・粉末使用…トマトジュース、トマトサラダなど
・肉料理、貝スープ、トマト料理などには、粉末でもホウルでもよいが、いずれも調理中に加えるのがポイント。
・ドーナツ、クッキー、フルーツパイやフルーツケーキなどの焼き菓子類にもよく合う。特にバニラエッセンスと相性がよい。生地にオールスパイスの粉末を練り込み、焼き上げることで、加熱によって弱まるバニラエッセンスの香りが増強される。同時に、オールスパイスの刺激臭も弱まる。バニラエッセンスとの併用により、相乗効果を発揮するのである。